―シマトビケラの捕食寄生者―

Polypedilum kamotertium Sasa, 1989

ヤドリハモンユスリカ

 

●2001年7月,青森県津軽十二湖でシマトビケラ科2種(Hydropsyche orientalisCheumatopsyche sp.)の前蛹と蛹の 13.5%に赤いユスリカ幼虫が捕食寄生しているのが発見された(大高・高橋)。

 

●容器内でユスリカを羽化させて成虫を同定したところ,Polypedilum kamotertium Sasa, 1989だった。

 

●日本でトビケラの蛹に捕食寄生するユスリカの2番目の発見(最初はEurycnemus nozakii, hostはGoera japonica)になる。 寄生の状態と、雄成虫(再記載)雌成虫,蛹,幼虫(初記載)の形態を発表(in print).

 

P. kamotertiumPolypedilumの亜属Cerobregma Sather and Sundal, 1999に属する。 P. (Ceorbregma) kamotertiumP. ontario (Walley, 1926)に近い. Ent. scand. Suppl. 28Chironomini Genus C = P. ontario

 

●現在の日本での分布記録(含む未発表)  京都(賀茂川,タイプロカリティ),青森県(津軽十二湖,今回),長崎県(轟狭),上田市(Hirabayashi, Nishio and Yamamoto, 2001),栃木県(幼虫)

 

Eurycnemus nozakii
 
(さなぎ)
頭部先端が尖っている
エリユスリカ亜科
Eurycnemus
(蛹殻)
 
 
Polypedilum
(さなぎ)
頭部先端が尖っている
ユスリカ亜科
Chironomus yoshimatui
 
(さなぎ)
頭部先端はまるい(一般的な形)
ユスリカ亜科

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