写真説明:>larva2.jpg:林床の倒木上を歩く幼虫 |
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トビケラ類はほとんどの種類が幼虫と蛹の時代を水中で過ごす真の水生昆虫であり、全ステージを陸上で過ごすトビケラは、過去ヨーロッパ、北米、タスマニアからそれぞれ各1種が知られているだけであった。
私は日本産のホタルトビケラ属各種の生活史や分布を調べているが、その過程で西日本の山中に生息するホタルトビケラ属の1新種は卵から成虫まで完全に陸上で生活することを確認した。
すなわち本種は東アジアで初めての、世界でも4種目の陸生トビケラであることが分かった。本種の幼虫は陸上生活に適応したためか、この属のトビケラ幼虫に特徴的な腹部の総状の鰓を欠き、浸透圧調節に関係すると考えられている塩類上皮も細くなるなどの特徴が見られる。
当日は、本種の形態と生活環の特徴を紹介するとともに、既知のホタルトビケラ属各種との比較を行った。
写真の説明 larva.jpg:幼虫とその筒巣
larva2.jpg:林床の倒木上を歩く幼虫 adult.jpg:雄成虫 |